D健診で腎機能低下・蛋白尿を指摘されたら
健診で腎機能低下・蛋白尿を指摘されたら
健康診断で「腎機能が低下しています」「尿に蛋白が出ています」と指摘されても、体調に変化がないため、そのままにしてしまう人は少なくありません。しかし、腎臓の病気は初期にはほとんど症状がなく、気づかないうちに進むことがあります。
一方で、脱水、発熱、激しい運動などによって、一時的に検査値が悪くなる場合もあります。1回の結果だけで腎臓病と決まるわけではありませんが、異常の原因を確認し、必要な再検査を受けることが大切です。
腎臓はどのような働きをしている?
腎臓は、血液中の不要な物質や余分な水分を取り除き、尿として体の外に出す臓器です。それだけでなく、体内の水分や塩分の量を調節し、血圧を整え、赤血球を作る働きや骨の健康にも関わっています。
腎臓の働きが低下すると、不要な物質や水分が体にたまりやすくなります。しかし、腎臓には予備の力があるため、ある程度悪くなるまで症状が出ないことがあります。
クレアチニンとeGFRとは?
健診結果には、「クレアチニン」や「eGFR」という項目が記載されていることがあります。
クレアチニンは、筋肉を動かしたときに生じる不要な物質です。通常は腎臓から尿へ排出されますが、腎臓の働きが低下すると血液中に増えていきます。ただし、筋肉量、年齢、性別、食事、脱水などの影響も受けるため、クレアチニンの値だけでは正確に判断できません。
eGFRは、クレアチニン値、年齢、性別から腎臓の働きを計算した数値です。一般に、eGFRが低いほど腎臓の働きが低下していることを示します。
eGFRが60未満の状態が3か月以上続く場合は「慢性腎臓病(CKD)」と診断されます。ただし、高齢になるとeGFRは低くなる傾向があるため、年齢、蛋白尿の有無、数値の変化などを合わせて判断します。
蛋白尿とは?
血液中の蛋白は体に必要な成分であり、正常な腎臓では、ほとんど尿へ漏れません。尿に蛋白が出ている場合は、腎臓の中にある細い血管の集まりが傷んでいる可能性があります。
ただし、蛋白尿は、激しい運動、発熱、脱水、長時間立っていた後などにも一時的に出ることがあります。月経中の採尿や、尿路の炎症などの影響を受ける場合もあります。そのため、別の日の早朝尿などで再検査し、蛋白尿が続いているかを確認します。
尿蛋白が「±」の場合は必ずしも病気とは限りませんが、繰り返し指摘される場合は相談が必要です。「1+」以上の場合は医療機関を受診しましょう。蛋白尿の量が多いほど、将来、腎臓の働きが低下する危険性が高くなります。
慢性腎臓病(CKD)とは?
慢性腎臓病とは、蛋白尿など腎臓の異常がある、またはeGFRが60未満である状態が、3か月以上続く病気です。
原因として多いのは糖尿病や高血圧です。そのほか、腎臓自体の炎症、遺伝的な病気、尿の通り道の異常などが関係することもあります。痛み止めなどの薬や健康食品が、腎臓に負担をかける場合もあります。
慢性腎臓病が進行すると、最終的に透析治療や腎移植が必要になることがあります。また、腎臓病がある人は、心筋梗塞、心不全、脳卒中などの心臓・血管の病気を起こす危険も高くなります。腎臓だけの問題と考えず、血圧、血糖、コレステロールなどを一緒に管理することが大切です。
医療機関では何を調べるの?
医療機関では、健診結果や過去の検査値を確認し、血液検査と尿検査をもう一度行います。以前のeGFRと比較することで、もともと低めなのか、短期間に悪化しているのかが分かります。
尿蛋白が陽性の場合は、どのくらいの蛋白が出ているかを詳しく調べます。血尿がないかも確認し、必要に応じて腎臓の形や尿の通り道を超音波検査で調べます。
eGFRが45未満の場合、蛋白尿が多い場合、蛋白尿と血尿の両方がある場合、腎機能が短期間で悪化している場合などは、腎臓専門医への紹介を検討します。若い人では、eGFRが60未満でも詳しい評価が必要です。
腎臓を守るためにできること
腎臓を守るためには、塩分を取りすぎないことが重要です。麺類の汁を残す、漬物や加工食品を控える、調味料を使いすぎないなど、できることから始めましょう。
高血圧や糖尿病がある人は、治療を続けることが腎臓の保護につながります。禁煙、適度な運動、適正体重の維持も大切です。
市販の痛み止めの中には、腎臓の働きを悪化させるものがあります。市販薬は安易に自己判断で長期間使用せず、受診時には使用中の薬やサプリメントを医師に伝えてください。また、蛋白質や水分を極端に制限すると、かえって体調を崩すことがあります。食事や水分の制限は、腎機能や病状に応じて医師と相談しましょう。
早めの受診が必要な症状
尿の量が急に減る、顔や足が強くむくむ、短期間で体重が増える、息苦しい、目で見て分かる血尿が出る、強いだるさや吐き気がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
健診で腎機能低下や蛋白尿を指摘されたことは、症状のない腎臓病を早期に見つける大切な機会です。自己判断で放置せず、健診結果と過去の検査結果、お薬手帳を持参して、まずは内科にご相談ください。
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